俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「嫌っっ!!」

彼女は母親の手を振り払うと一目散に会場の外に凄いスピードで逃げ出して行った。

「こら!!百合子っっ!!」

母親は彼女の後を追いかけて行ったが、しばらくして諦めたようにため息をつくと、自分のいた場所に戻って行った。

………。

すげぇ女…。

「……ぷっ…」

俺は抑えていた笑いが込み上げてきて、一人、静かに肩を揺らして笑った。

「くくくっ」

何だ、あれは。

あの娘…、また会えるかな…。

俺は生まれて初めて、また会いたいと思える女性に出会った。



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