俺様婚約者~お見合いからの始まり~
彼女の柔らかい巻き毛にそっと触れる。

「う…ん…」

ピクリと小さな身体が微かに揺れて、慌てて手を離す。

すると、彼女はまた小さな寝息を立て始めた。

数年分の思いを彼女に刻む、という行為は俺の勝手な独りよがりなものであり、百合子に責任はない。

そう、分かっているのに止まらなかった。

百合子の白い肌のあちこちに残る俺が付けた印しが痛々しい。

そっとそれらを唇でなぞりながら小さな声で呟いた。

「…ごめんな、百合子…」

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