俺様婚約者~お見合いからの始まり~
『親愛なる百合子様

明日、PM6:〇〇

南急ホテル、ロビーにてお待ちしています。

澤乃井悠斗』

……。

えええ!!どういう事?

お待ちしています。、って、来いって事?

ど…、どうしよう。

どんな顔して会えばいいのよ?

ふと、突然されたキスの場面を思い出す。

きゃー!そう言えば、キスされちゃったんだった!!

…今さら一人で赤くなっている私って…。

でも、さすがに今日のあれは失礼だったわよね。

走って逃げ出すなんて。

だって『好きじゃなくても結婚する、そんな事はどうでもいい』なんて言われたら、何だかバカにされているみたいで…。

とりあえず明日、もう一度彼に会ってはっきりさせてこよう。

こんな曖昧なままじゃ困るし…。

だけど…、ところでこの花…。彼が選んだのかしら。

花屋で買い物するなんて想像出来ない。

どんな顔で選んだのかな…。

私はそんな事を思いながら窓際にそれをそっと置いて、しばらく眺めていた。
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