俺様婚約者~お見合いからの始まり~
…カタッ。

…あ、ヤバい…。

シーツに足を絡ませて、ついドアに体重をかけてしまった。

ピタリと音が止んで悠斗がこちらを見ている。

「あ…、ごめ…」

オロオロと体制を立て直しながら謝りかけた私に悠斗はニコリと微笑んだ。

「…起こしてしまったか。……悪い」

「う…、ううん、いいの。
…バイオリン…?
上手なのね」

彼の邪魔をしてしまい、申し訳なく思いながら言う。

「あ…、ああ、久し振りに弾きたくなって。
…百合子に会えたからかな」

「………?」

彼の言っている意味が良く分からない。


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