俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「ところで…、何で泣いてる?」

…はっ!!
そうだった…。

「あ…あの…、悠斗の演奏を聞いてたら、…感動して」

「何だ、それ」

彼が照れくさそうに笑う。

そして静かに話し出した。

「子供の頃からずっとやってきた。
…会社なんかよりバイオリニストになるつもりだった。

会長が死んでその道が閉ざされた時…、百合子に会った。

君に会わなければ、俺は澤乃井を継ぐ決意はしなかっただろうな…。」

「え…、どうして…」

彼が何を言いたいのか、さっぱり分からない。



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