俺様婚約者~お見合いからの始まり~
悠斗はフフッと軽く笑みを浮かべながら私を見た。

「澤乃井を俺のものにしないと、百合子と結婚出来ないだろ」

…え…。

ポカンとする私に彼は更に言う。

「…鹿島常務が一人娘をその辺の何も持たない男にやるかよ」

「………。」

…お母さん…?

「あの人は業界でも有名だからね、会社の為なら…。

…あ、…悪い」

悠斗はそこまで話すと口を押さえて黙った。

「いいえ、いいの。
その通りだわ。
お母さんは、私の将来すら会社のために使おうとしたのよ。

…だけど、それで、良かったわ」

「え…?」

「そんなお母さんだから、………悠斗と、結婚出来る事になったから」


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