俺様婚約者~お見合いからの始まり~
ぎゃあああっ!

顔から火が出そうになり、ブンッと顔を背けた。

すると、彼がクスクス笑い出した。

「…そんなに、嫌がらないで。少し、話しませんか?」

「え…、えと…、あの、はい…」

私は歩き出した浅香さんに連れだって後を追った。

隅のテーブルまで来ると、彼は椅子をゆっくりと引き出した。

「…どうぞ」

私に座る様に指し示す。

「は…はいっ」

私がテーブルと椅子の間に身体を入れると優しく椅子を引いてくれた。

…わあ、…素敵。

悠斗も車のドアの開閉なんかはエスコートしてくれるけど、テーブルではそうされた事はなかった。


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