俺様婚約者～お見合いからの始まり～

「ええ、いいわ。そうしましょう。
その前にちょっとお手洗いに行ってくるわ。」

「うん、待ってるよ」

私はそう言って席を立った。

化粧室の鏡の中の自分をじっと見詰める。

何よ、こんなにお洒落しちゃって…。

どうせ悠斗に見せる事もないのに。

…何であれから何も言って来ないのよ。

連絡するって言ったでしょ…！

私は水道の蛇口を捻ると両手で水をすくい取り、自分の映った鏡に向かってバシャリとぶつけた。