俺様婚約者~お見合いからの始まり~
まさか、婚約解消なんて言い出したりしないわよね?

背筋を冷たい感覚が通り過ぎる。

私は泣き出したくなるのをグッと堪えて彼を見つめ返した。

「…あなたも…、あれから連絡もくれなかったじゃない。
私が何をしようと、とやかく言われたくないわ」

…悠斗の眉がピクリと動く。

またしても持ち前の勝ち気さがむくむくと現れる。

やっぱり私は可愛い女になんてなれない。

いつも憎まれ口ばかり。

ほんと、いつも素直じゃない。

会いたかった、と言ってその胸に飛び込めたらどんなに幸せかしら。


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