先生が教えてくれたこと


あたしは振り返った。



近いようで意外と遠い距離。


その距離のままあたしは田辺の言葉を待った。



「……あの、さ…良かったら俺と付き合って!!!」



田辺からの突然の告白に、状況を把握できていないあたし。


そんなあたしの様子に気付いてか、田辺はゆっくり話し始めた。



「俺実は小学校の時ずっと山本のこと好きだったんだ。
中学高校と彼女がいたこともあったけど、いまいち本気になれなくてさ。

今日山本に久しぶりに会ったら、6年間ずっと山本のこと引きずってたんだって気付いた。

本気になれなかった理由がやっと分かった。
結局山本のことが忘れられなかったんだ。

だから、今日受験会場でたまたま山本を見つけて、奇跡だって思った。

そう思ったら体が勝手に動いてさ。
気が付いたら遊びに誘ってたんだよね。
この機会を逃したら絶対後悔するって。

そして、ダメでも良いからちゃんと自分の気持ち伝えなきゃって思った。」





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