先生が教えてくれたこと



「ごめんな、言い過ぎた。」

あたしは黙って首を横に振った。



「顔上げて、俺の話聞いてくれる?」



あたしは目を服の袖で擦ってから顔を上げた。



「俺、あっすーに“好きだった”って言われた時、すげぇ嬉しかった。

そしたらつい、ああ言う言い方してて。

俺からしては、単なる照れ隠しだったんだけど…ほんとごめんな?」



あたしは再び首を横に振った。


「こんな俺だけど…付き合ってくれる?」


「…はい」



「良かったー!まじで嫌われたかと思った。」



「そんな簡単に嫌いませんよ。」



「ほんとに?」


「本当です!先生心配しすぎ!」



今のあたし、泣いてるんだか笑ってるんだか分からない。


けど、確かなのは今すごく幸せってこと。



先生を好きになって本当に良かった。


今、心からそう思えた。





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