家族
家族
『行ってきます。ただいま。』そんなふうにいつもあたりまえのように使っていた。この家族に産まれて23年。もう立派な大人だなんて口がさけてもまだまだ言える気がしない。
私は5人家族の一番上、下には妹と弟、どこにでもいる普通な家族。
お金持ちでもなくこれといってたくさんお金があるわけではない。父は警察から自衛隊に移り、母との結婚をきに母の実家である建築業を継いだ。大工さんである。母は商業科の高校卒業後、祖母の反対を押し切りデパートに就職。祖母的には銀行に勤めてほしかったらしい。これは今でも祖母の口癖だ。そんな二人はいつもくだらないことで喧嘩をしていた。お母さんとお父さんはどうして結婚なんかしたのだろうっていつも感じていた。
私が産まれて2年後にすぐ妹が産まれたせいか、私はあまり母親に育てられた記憶がない。このとき実は、母は精神不安定いわゆる育児ノイローゼ状態だったらしい。このこともだいぶ経ってから聞かされた。このことがあってからか私はすぐ近くに住んでいた母方の祖母とよく遊んでいた。今でもずっとおばあちゃん子である。
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