勘違いしないでよっ
父と2人。
並んで歩いて、
会話もせずに歩いていた。
父が来ているスーツが乱れていた。
こんな着方してるの、初めて見た。
きっと、慌てて来てくれたんだ
と思った。
「お父さん…失望した?」
あたしは聞こえないくらいの声で
父に訪ねた。
返事を待っている数秒が
とても長く感じた。
「ううん。日和は
勉強もよく頑張ってるし
失望なんかしてない。
これで勉強が出来なくなった
ってわけじゃないでしょ?」
父は知ってる優しい顔で
あたしに言ってくれた。
それで、すごく安心したんだ。
「そっか…。」
なのにこんな返事しか出来なかった。
言い訳は、父にさえ出来なかった。
しようと思わなかった。
でも…
「このマンガは、日和のものなの?」
父はこう言った。