あおぞらペンダント

「簡単に言うとガンです。」

時間が止まった気がした。

いや、スローに動いている気がした。

そこにいる皆が目を見開いている。

「それって、治るんですよね?」

俺は冷静に聞いた。

いくらガンでも陽菜だから
大したことないだろ…

でも、先生が口にしたのは
期待とは裏腹の言葉だった。

「…残念ながら、治りません。
 頭に腫瘍ができていてその腫瘍が頭の
 ホントに奥にできてしまっているのです。」

俺は耳を疑った。

陽菜に限ってそんな事あるわけない。

あんな馬鹿みたいに元気な陽菜が…

俺は隣にいる陽菜を見た。

陽菜は下を俯いていて
どんな顔をしているのかわからない。


< 13 / 43 >

この作品をシェア

pagetop