あおぞらペンダント

「先生、手術とかでも
 治せないんですか!?
 薬とか、ほら今は
 レーザーとかもあるんでしょ?」

陽菜の父さんは顔を真っ赤にしている。

先生は目を瞑って言った。

「陽菜さんの場合、
 手術ができないところにあるんです。
 レーザーや薬を使っても
 病状を和らげるだけしかできません。」

陽菜の母さんは声をあげて泣いている。

陽菜の父さんは膝にこぶしを
作って悔しそうにしていた。

「それで…」

いきなり陽菜が声を出した。

みんなの視線が陽菜に向く。

陽菜は顔をあげた。

たぶん泣いてたんだろう。

顔を真っ赤にして涙目で
鼻をすすりながら陽菜は言った。


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