あおぞらペンダント
学校が終わり、
クラス中が帰りの支度をしている。
「陽菜、帰ろ。」
支度が終わった俺は
陽菜の席に近づいていく。
「あっ…ごめん。
今日、病院行かないといけないから。」
陽菜は申し訳なさそうに言った。
「じゃあ俺もついてくよ。」
「ううん、今日は一人で行かせて?
診察の後、先生とちょっと
話すから長くなるの。」
「話し終わるまで待つけど。」
「んっとぉ…今日は一人で行きたいかな
って感じ! ホントごめんッ!」
「そっ…か。
んじゃあ、帰ったら連絡しろよ。」
一人で行きたいってことは
本当に嫌なのだろう。
俺は陽菜に手を振って駿平を
無理やり引っ張って帰った。
教室を出るとき陽菜の
顔は見えなかったけれど、
陽菜のため息だけは
聞き逃さなかった。