あおぞらペンダント
言えない真実
「てかさー。
陽菜ちゃんの病気大丈夫なのか?」
学校の校門を出て俺が下を向きながら
歩いてると駿平が俺の顔を覗いて言った。
駿平には医大に通ってる姉貴と
元看護士の母親、
病院の院長の父親がいて
家族全員が医療関係の家系。
だから将来、強制的に父親の仕事を
つがないといけないため
そういうのには詳しい。
「…ガンだってさ。」
俺は小さく呟いた。
“ガン”という言葉を使ったけど
俺には陽菜がガンという実感がない。
「頭に腫瘍があるって…。」
「はっ!?陽菜ちゃんの病気って
そんな重かったの!?
あんな近くにいたのに
気づいてやれなかったのか!?」