あおぞらペンダント

「陽菜ッ!!
 聞こえるなら返事しろ、陽菜!!」

返事はない。

「どけッ!!」

すると駿平が俺の肩を掴んで言った。

俺は言われた通りどいた。

駿平が呼吸の確認や脈を計っている。

美姫は泣きそうな顔で
陽菜の手を握っていた。

「息はしてるし、脈もまだ平常だ。
 早く病院に連れて行こう。
 美姫、救急車呼んでくれ。」

「うん、分かった。」

「駿平、俺は何を・・・?」

「侑太は陽菜ちゃんに声をかけ続けろ。
 もしかしたら目を覚ますかもしれない。」

「分かった。」

「おう。俺は陽菜ちゃんの
 両親に電話する。
 電話番号教えてくれ。」

「あ…あぁ。」

さすが医療関係の跡継ぎだ。

普段はあんなにバカみたいなのに、
今はすごく頼りがいがある。

しばらくして美姫が呼んだ
救急車が来て、陽菜は運ばれた。

俺も救急車に乗り込んだ。

駿平と美姫は後から行くと言って、
救急車には乗らず、その場に残った。


< 40 / 43 >

この作品をシェア

pagetop