あおぞらペンダント
「陽菜ッ!!
聞こえるなら返事しろ、陽菜!!」
返事はない。
「どけッ!!」
すると駿平が俺の肩を掴んで言った。
俺は言われた通りどいた。
駿平が呼吸の確認や脈を計っている。
美姫は泣きそうな顔で
陽菜の手を握っていた。
「息はしてるし、脈もまだ平常だ。
早く病院に連れて行こう。
美姫、救急車呼んでくれ。」
「うん、分かった。」
「駿平、俺は何を・・・?」
「侑太は陽菜ちゃんに声をかけ続けろ。
もしかしたら目を覚ますかもしれない。」
「分かった。」
「おう。俺は陽菜ちゃんの
両親に電話する。
電話番号教えてくれ。」
「あ…あぁ。」
さすが医療関係の跡継ぎだ。
普段はあんなにバカみたいなのに、
今はすごく頼りがいがある。
しばらくして美姫が呼んだ
救急車が来て、陽菜は運ばれた。
俺も救急車に乗り込んだ。
駿平と美姫は後から行くと言って、
救急車には乗らず、その場に残った。