愛してますから。
一
君主は不良
「若君ー!!!」
これが私、小河原ユイ。
中途半端な感じの高校1年生、特技なんて趣味と同じなんていうけど全く違います!
特技は喧嘩。単なる剣道やってただけだけどね?高校ではフリーですよ。色々な意味として、
え?さっきから何叫んでるのかって?
それはもちろん、
「……うるさいよ、ユイ」」
私の君主のお出迎えです。
若君、もとい君主の『真木 徹』様。
ミルクティ色のふわふわな髪
男なのにミルクのような肌
アーモンドの瞳、端整な顔立ちに
スラリとした長身……
まさに幕末の沖田総司を連想させるような方に、私は一目惚れをしたのです。
「おはようございます!若君!」
「だからその若君はやめて……」
「いいじゃありませんか!
私はいつでも若君のお傍にいて変な輩をブチ殺したいのです!」
「犯罪だからやめて」
片手には竹刀。もちろん、学校にも持ってきてます。 いつ、どこで危ない目に遭うかわからないですからね!
なんせ私の尊敬するお方は、
「おっはよー、真木、ユイちゃん」
私も通うここ、南高校の不良ですから。