それはたった一瞬の、


これもこの地を「快適」に保つためだろう。

そう思うと風だってちっとも爽やかには感じられなかった。

「ひねくれてるなぁ…」

「誰が?」

「っ!」


驚いた時の猫のように縮み上がって振り返ると、柊がくすくす笑っていた。

なんで、ここにいるの。

「ひ、柊…」

「驚かせてしまってすまないね」

自称紳士の彼だけど、女の子の部屋にいきなり上がりこむのは紳士の行動じゃないと思う。


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