それはたった一瞬の、


想像を絶していた。
隻眼でもなくオッドアイでもなく、彼の眼は。




玉虫のように鮮やかに生々しく光る七つの色を持っていた。

沙霧の話を聞いた時と同じく、考えもしていなかったものだった。


でも、とても魅力的だった。
人の目を惹きつける何かがそこにはあった。

「どうして今まで隠していたの?」


そう訊ねると、柊は薄く笑う。
初めて彼の表情をちゃんと見た。


そして彼は語り始める。

残酷でありながら美しい、ひとつの物語を。


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