それはたった一瞬の、


「柊ー、藍火ー、おっはよー!」

「こいつが2人に朝の挨拶するって聞かなくてよ。ガキかって話だろ」


そう口にしてから、沙霧が釧奈をまじまじと見つめる。

見つめられた釧奈はちょっと顔が赤い。

「な、何…」

「わりぃ、正真正銘ガキだったな」

さっきとは違う意味で、その赤みが顔に集まっていく。


「沙霧のバカぁぁーーっ!!」


耳をつんざくような高音の叫びを残して、釧奈はずんずんと去っていった。


< 141 / 228 >

この作品をシェア

pagetop