それはたった一瞬の、
「柊ー、藍火ー、おっはよー!」
「こいつが2人に朝の挨拶するって聞かなくてよ。ガキかって話だろ」
そう口にしてから、沙霧が釧奈をまじまじと見つめる。
見つめられた釧奈はちょっと顔が赤い。
「な、何…」
「わりぃ、正真正銘ガキだったな」
さっきとは違う意味で、その赤みが顔に集まっていく。
「沙霧のバカぁぁーーっ!!」
耳をつんざくような高音の叫びを残して、釧奈はずんずんと去っていった。