それはたった一瞬の、
椅子の背もたれに思い切り体重を預けて、指先で木の感触を確かめるようにその脚をコツコツと叩く。
ここに来てからどれぐらいの月日が経ったのだろう。
今は何月何日だろう。
カレンダーも無いうえに整理もできないほどいろいろなことが起こったものだから、それを判断するのは難しい。
「うーん…」
そのまま体をのけ反らせて、のけ反らせて…
「わぁっ」
思い切り頭を打ち付けた。
頭の底に響くような鈍い痛みが訪れる。
そのまま頭を抱え込むようにうずくまると、世界にひとりだけ取り残されたような気分になった。
真っ暗闇の中、ひとりぼっち。
こんな気分を、ここにいる人たちは味わったのかな。