それはたった一瞬の、


そんな2人の言葉をさらりと無視して、彼は2人を指差した。


「あっちの金髪で口が悪い方が沙霧。変な語尾を連発してる女の子が釧奈(クシナ)。性格はまぁ…見ればわかるね」

「おい!何勝手に俺たちの紹介してんだ!」

「自分で自己紹介ぐらいできるかもー!」

ここがとても個性的な人たちの集まる場所だということだけはよくわかった。



ようやくケンカをやめた2人が、私の方に駆け寄って来る。

「藍火様、あたし待ちくたびれたかもー。あたしの名前は釧奈って言うんだよ?」

「やぁっと来たな?俺は沙霧だ、よろしくなっ藍火様」


差し出された手に、戸惑いが隠せない。


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