それはたった一瞬の、


灰色の空の下、その色が場違いなものに思えるほど花々が胸を張る。

2人して花壇に腰かけ、私はうつむいたまま言葉を絞る。


「柊は、よもぎちゃんが憎いと思う?」

彼はそれには答えず、新たな質問を提示した。

「よもぎがそう言ったのか」

頷くのにも躊躇して、私はお茶を濁すように首を傾げる。

「そんなわけないよね」


早く笑い話にしてしまいたくて、彼女の勘違いであると思いたくて早口に言うと、思わぬ返答が返ってきた。


「…今さら、だね」


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