それはたった一瞬の、
幸せは誰かの犠牲の上に成り立つなんて思いたくないの。
ねぇ、そう思う私は甘いのかな。
みんなみんな、笑顔の世界で暮らしていたいの。
「それじゃあこの空が灰色なのは、よもぎちゃんが関わってるの?」
あともう一歩。
そこで私は足を止めた。
止めさせられた。
「…それは、答えられないな」
思うように進まない応答に、私は別の糸口を探そうと言葉を探る。
「もうひとつ訊きたいの」
答えを探すことに夢中になっていた私は、その糸が闇に繋がる糸とは知らなくて。
「私は、心を閉ざしていると思う?」
ただ、みんなのことを知ろうと精一杯だった。