それはたった一瞬の、
痛いと感じた時には私も柊に負けず劣らず、強く唇を噛んでいた。
どうして私がこんな風に一喜一憂しないといけないんだろう。
妙な期待をかけられて苦しんでいるのは、むしろ私の方じゃないか。
たった一言でこんな顔をされて、理由だって知らされないまま信頼されて、何が何だかわからないことだらけだ。
理不尽だ、こんなの。
「…し、は…」
つい最近出逢ったばかりの人に、どうしてこれほど心が揺れるんだろう。
どうしてこれほど、胸が灼きつくように息苦しいんだろう。
「私は、悪くない!!」
私は何も悪くないのに。
…本当に?