それはたった一瞬の、
よもぎちゃんがその場にへたり込む。
そしてみんなの優しい腕が、私を抱きしめた。
「みんな…?」
釧奈が笑う。
子どもの殻を被っていない、そのままの笑顔で。
「ありがとう藍火。藍火にもらった優しさの分、力いっぱい生きるよ」
沙霧が赤くなった目を隠すようにそっぽを向く。
でもその顔は、隠しきれない笑みをたたえていた。
「もういつ死んでもいい…とか、言わねぇけど。でも、よかった。ずっとこれが見たかった」
柊が微笑む。
シルクハットを取った、素顔の自分で。
「これが青なんだね。僕にもわかるよ。とても…とても、綺麗だ」