それはたった一瞬の、
急に言い知れない不安が胸を襲って、私は早口で訊ねる。
「待ってよ、私、まだ何も解決してない」
青い空は確かに手に入れた。
でも私は一番最初から今まで抱いてきた疑問をまだ捨てられずにいる。
「どうして私は、みんなにとって大切な人なの?何も特別なことはしていないのに」
朱天楼に来ていきなり投げかけられた言葉。
ずっと不思議だった。
今もその謎は解けていない。
「藍火は私たちにとって大切な人。
だって、あなたはあの人の――」
歪んだ世界がノイズと共に途切れた。
最後の謎も、残したまま。