それはたった一瞬の、
藍色の炎
私の名前は変わっているとよく言われる。
愛花とかじゃないんだね、というのはもう何度も繰り返された会話。
それにいちいち由来を説明していくのも疲れたから、自分からはほとんど話していない。
母さんが子どもの名前に悩んでいた時。
陣痛が起こった時に、病院の窓から見えた景色は一面の夜空だったらしい。
今まで見たどの夜空よりも濃く鮮やかなその空は、まるで藍色の炎が燃えているようだったと母さんは言っていた。