それはたった一瞬の、
タイムリミット
目を開けると、そこにはもうノイズも砂嵐も無かった。
そして、みんなの姿も。
肌に感じるのは生ぬるい風、初夏の爽やかさと湿り気を含んだ空気。
土が付くことも構わず私は、その場に膝をつく。
顔を無理やり上に向けると、青の合間に所々白が泳いでいた。
戻って、来たんだ――。
そう考えると涙が溢れて、溢れて、止まらなくて。
だってもう、あの人たちには会えないってことでしょう?
感情的な脳の片隅で、冷静な脳がそうささやいた。