それはたった一瞬の、


「おぉ藍火、早かったなぁ」


久しぶりに見る父さんの顔。

一瞬、100年後のお昼だったらどうしようかと考えたが、その心配も無さそうだ。


早く学校が終わったと言ってもきっと、近所の情報網を伝って父さんの耳に入って来るだろう。

「サボった!」


堂々と宣言して怒られるかと思ったけど、父さんはまったく気にしていないようだった。

「そーかそーか、いっぱいサボれ!遊べ!」

いいね、こういうとこ。
教育者としてはダメだと思うけど、父親としては申し分ない。


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