それはたった一瞬の、


やっとわかった、あの言葉の意味。


「私、この人たちと会ってきたよ…」


――あなたは、あの人の。

娘、だと。
彼らはきっとそう言いたかったに違いない。


沙霧、釧奈、柊、よもぎ。

私が家族だと胸を張って告げ、砂嵐の中で別れた仲間がそこにいた。


短い永遠を共に過ごした人たちが、文字となってそこにいた。


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