それはたった一瞬の、


父さんの作品の登場人物たちと会って話してきた、なんて信じられないような話だけど。


それでもこの手の中にあるヘアピンは、頭の中にある記憶は、間違いではないだろう。


ドアの外に広がるのは青い空。

それに重なるのはあの人たちの笑顔。


絶対に忘れない、忘れるはずがない。

友達よりも大切な、家族と呼べる存在を。



それはたった一瞬の、


夢のような出来事でした。


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