それはたった一瞬の、
「藍火、デートにその顔はないだろう」
ひどい顔なのは承知していたけれど、デートだということまでは知らなかった。
「…これ、デートだったの?」
「冗談さ」
いまいち掴めない発言を繰り出す柊に、私は翻弄されっぱなしだ。
でも2人で手を繋いで歩いてるってことは…そう見えてもおかしくないんだろうな。
ごちゃごちゃ考え過ぎて頭が沸騰しそうになった私は、昨日からの疑問を彼にぶつける。
「ねぇ柊。ここの空はどうして灰色なの」