それはたった一瞬の、


考えてみた。
釧奈が言ったことの矛盾に見合う答えを。

けれど出てこなかった。
出てくるはずも無かった。

だって、


「俺の臓器は機械仕掛けだ」


そんなこと、思わないでしょう…?


「いつ壊れるかもわからねぇ。ある時突然爆発するかもしれないし、いきなり機能が停止するかもしれない。
そんな中で、俺は生きてる」


瞬きも出来ない中で視界が滲むのはなんでだろう。

目を逸らしたいのにこんなに惹きつけられるのはどうしてだろう。


< 50 / 228 >

この作品をシェア

pagetop