それはたった一瞬の、


2人きりだったけど、料理を味気ないと思うことはなかった。

今のこの状況だってそう思うことはないけれど、罪悪感だけが焦げ付いて離れない。


情報の共有者になれたこと。
それは確かに私の不安定な心を救ったかもしれない。

けれど同時に、私の中に暗い影も残した。


きっと、ずっと前から共同生活をしているであろうこの4人。

その中に突如乱入してきた私。

長い年月を共に過ごしてきたみんなが知らないことを、私だけが知っている。


本当にこれでよかったの?

誰かが呟く幻聴は、空耳ではないだろう。


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