それはたった一瞬の、


「勿体ないです。そんなにかわいらしいのに」

これには私も目を剥いた。

かわいらしいなんて、よもぎちゃんに言われてもなぁ…。


苦笑いしながら商品を眺めていると、よもぎちゃんが不意に訊ねてきた。

「藍火だったら、どんなものが欲しいですか?」

「私?そうだな…これ、とか」

手近にあったヘアピンがかわいかったから、それを指差す。

自分にそんなものが似合わないことぐらい知っているけれど。


「いつも近くにあるものがいいな。その方が使ってるって実感があるし」


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