それはたった一瞬の、
そんなのって、ない。
どうして彼女の体は成長を止めてしまったのか。
そんなことは今はどうだっていい。
どうして死を目前にして諦められるのか。
私にとってはそれが不思議だった。
それだけじゃない。
釧奈はもっと驚くことを呟いた。
「実を言うとね、長く生きられないってわかってちょっとだけ安心してる」
「なんで、なんで…っ!?」
私は嫌だ。
いつ死ぬかわからないのに笑っていられない、耐えられない。
その笑顔が、この前私に秘密を離してくれた沙霧の表情と重なった。