それはたった一瞬の、


ずしりと、重い荷物を背負わされた気がした。

灰色でまったく変わらない景色が、ほんの少し揺らいだように思える。


沙霧も言っていた、こんな空の下では死にたくないと。

それは釧奈も同じだろうか。


託されたのは、大きな願い。

私にそれを叶えることができるのだろうか。


まだ、何も知らない私に。


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