隣のカレ【短編】
ぶきようなひと
翌日
「日向くんおはよう」
席に座ってボーっとしていた日向くんに声を掛けた。
「‥‥‥‥」
え!?無視!?
昨日の帰りもそうだったし‥あたし日向くんに何かしちゃったのかな‥‥。
日向くん、このまま一生口聞いてくれないのかな‥。
そう思っていると自然に目から涙が出てきてしまった。
「ねー、陽菜ー」
隣から冬夜の声が聞こえた。
また忘れ物でもしたのかな?
「‥‥チッ」
冬夜の逆隣から舌打ちが聞こえた。
日向くん、まじで怒ってる!?
日向くんはいつも無表情で何考えているか分からないけど、それでもいつも優しかった。
絶対あたし、日向くんに嫌われたんだ。
あたしの目からさらに涙が出てきた。