隣のカレ【短編】
「先生、呼んでるよ」
「へ?」
日向くんが指を指した方向を見ると怖い顔をしている数学の先生が。
「白石、お前ボーっとしてるなんて余裕だなあ?」
「え!よ、余裕なんかじゃ‥」
「これ、解いてみろ」
先生は黒板の問題を指差した。
ど、どうしよう!
あたし数学が一番苦手なのに‥全然分かんないよ~っ!
「5X+3」
「へ?」
ぼそりと先生に聞こえない声で日向くんが呟いた。
日向くんを見るといつもの無表情であたしを見ている。
「ご、5X+3?」
「ん‥おお!正解だ!」
日向くんが教えてくれた答えを言うと見事に正解らしい。