隣のカレ【短編】
「陽菜ー」
「冬夜?どうしたの?」
休み時間。
幼なじみの冬夜があたしを訪ねてきた。
「古典の教科書貸して!」
「忘れたの?」
「うん!」
「しょうがないなあー」
冬夜はあたしから教科書を受け取ると帰りに返すねーと言って自分の教室へ返っていった。
あたしも自分の席へ戻ろう視線をあげると日向くんと目があった。
すぐにそらされてしまったが。
「今の隣のクラスの奴でしょ?」
「え‥日向くん見てたの?」
「うん。付き合ってるの?」
「ち、違うよ!」
「ふうん」
日向くんは興味なさそうにそっぽを向いてしまった。
やっぱりあたしのことなんて、どうでもいいよね‥。