隣のカレ【短編】
放課後
「白石、今日日直だろ?」
「あ、はい」
「これ、国語科準備室まで運んどいて」
にっこりと笑いながら担任は大量のノートを指差した。
「え、ちょ‥!」
「よろしくー」
先生は足早に教室を出て行ってしまった。あいつ‥‥。
女子1人にこの量を運ばせるのは大変だな、とか思ったりしないのかよ。
仕方なくあたしがノートに手を伸ばそうとするとそれより早く横から手が伸びた。
「え‥」
「手伝ってあげるよ」
「ひ、日向くん‥」
そこにいたのはいつも通り無表情の日向くん。