はつこい―最後の恋であるように―
それでも
大学に入ってから出来た女友達の中の、
片桐繭花(かたぎり・まゆか)という子と、
周りに流されるように付き合いはじめた。
村上もそうだったが、
片桐も気立ての良い、可愛らしい子で、
付き合うのは楽しかった。
けれど、
何か違う、という思いは
常に消すことが出来なかった。
その思いが強くなるのは、
決まって君に会ったときや、
田野に会ったときだった。
そうして4年という
短い月日が過ぎ去ろうとしていたある日。
最後の長い夏休みが終わった頃。
君から電話があった。
「田野くんと会ったよ。」
と。
大学に入ってから出来た女友達の中の、
片桐繭花(かたぎり・まゆか)という子と、
周りに流されるように付き合いはじめた。
村上もそうだったが、
片桐も気立ての良い、可愛らしい子で、
付き合うのは楽しかった。
けれど、
何か違う、という思いは
常に消すことが出来なかった。
その思いが強くなるのは、
決まって君に会ったときや、
田野に会ったときだった。
そうして4年という
短い月日が過ぎ去ろうとしていたある日。
最後の長い夏休みが終わった頃。
君から電話があった。
「田野くんと会ったよ。」
と。