はつこい―最後の恋であるように―
「変わってないよな、あいつ。」

そう言って、
田野は可笑しそうに笑う。


俺は前から思っていたことを聞いてみた。

「お前さ、
葉奏のこと、どう思ってるんだよ。」


田野は目を逸らし、

「友達、だろ。」

と答えた。



「好き、なんじゃないのか?」

そう聞いても、
首を振り、どこか寂し気に答える。

「前言ったろ?
もう誰も好きになれない、って。」


「だけどさ、」

俺が言いかけると、
田野が笑いながら遮って言った。


「俺がどうして、
あの日バス停にいたか教えてやろうか?」
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