はつこい―最後の恋であるように―
そのうちに君は僕のことを、
名前で呼んでくれるようになった。

田野のことは
「田野くん」
のままだったけれど。

一度、それは何故か聞いたことがあった。


君は
「…何となく?」
と答えるだけだったけれど。


それは僕の気持ちを加速させるには、
充分だった。



そんな日々を重ね、
僕の気持ちは大きくなっていって
あの日、
君に伝えようと思ったんだ。
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