伝説
「鈴ちゃんお待たせ〜」

「姫様〜お久しぶりです」
私に万遍な笑顔を見せて、抱き着く鈴音ちゃん

「鈴ちゃんその着物似合うね
そっかぁ、あんなに小さかったのに

清明になった祝いにプレゼントした時にはそれを着ている想像できなかったのに」

照れながら笑う姿はまだあどけない

「鈴ちゃん来年中学卒業でしょ?
欲しい物無い?」

首を振り
「姫様と会えるだけで幸せです
遠い異国に身を守るために行かれ
異国で学ばれた事を活かし輝いているだけで…」

泣きそうに語る姿に罪悪感が生まれた

「清明を継いだばかりの頃に離れて苦労させたね?
どうしても行かなければ行け無かったの
身を守るだけでなく我が儘も入っていたの
本当にごめんなさい」

深々と頭を下げると

「姫様は私に挨拶に来てくださいました
危険な時に、私に頭を下げて

それに姫様の母様や父様を亡くなり
会社を社員を護る為に異国へ行ったのは知っています

大切なものを護る為に必死だった姫を責められません」

優しい私を抱く清明に涙が

「それに十二神将が側にいましたが姫は一人で…」

鈴ちゃんの言葉は優しくて
「鈴ちゃんは、気持ちも立派で
清明の名に相応しい」

鈴ちゃんから離れ微笑んだ

「姫様に誉められるなんて嬉しいです
初めて姫を見た幼い頃は凛々しい孤高の存在のように思いましたが…」

鈴ちゃんは私を美化しすぎ

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