REAL HOPE Ⅳ
レツを信じてる。だから疑うような事は聞けない
レツを愛してる。だから不安な気持ちが生まれるんだと分かる。
「なに?どうしたの」
でもハルマにこうやって聞いてる時点で、それはレツに対しての裏切りに近いものがある気がする…。
「レツ、なんか変」
ポツリと呟いた私の声は、運転席に座るあんちゃんとハルマにさえ聞こえてるかギリギリの小さな声
「……どうして私の事送ってくれないのかな…、どうして夜電話出てくれないんだろう…」
こんな質問ハルマが困るって分かってる。だってハルマは関係ないし、レツの事情なんかハルマだって知らないに決まってる。
だからこんな質問したってしょうがないのに、私はレツにじゃなくてハルマにしか聞くことが出来ない。
優しいハルマに安心できる言葉をかけてほしいって思ってる……―――