REAL HOPE Ⅳ



私はとりあえずその光景に口をあんぐり開けながらゆっくり近付いた。


ゆっくりゆっくり、一歩づつ踏み締めながら…。


これで最後なんだと、レツ達が向かえに来てくれるのは最後だと胸に刻みながら。



「おかえり」


やっぱり最初に優しく声をかけてくれるのはハルマ。



「ただいま」


だから私も少しだけ笑える。レツに苛立ちと不安を抱えながらも笑っていられる。



「ジュン遅ぇんだよ」


「ツカサに向かえに来てなんて言ってないじゃん」


「なんだとー!?わざわざ来てやったのに、お前は卒業おめでとうぐらい言えねぇのかっ」


「はいはい、おめでと~」





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